VLZ00071-CDR
SPACESHIP AIRGUITARS
"MONTAGE"
2024
2008年にスタートした、大分在住のShow
Akamineによるインダストリアルノイズソロプロジェクト。本作は2nd アルバムとなる。
(1stはこちら
https://spaceshipairguitars.bandcamp.com/album/sabotage-assault-generators)
今作は映画の制作手法の一つである"Montage"を用いて制作された。
様々な場所でのフィールドレコーディング素材、自身の自作楽器からのサンプリングサウンドで構成されている。ミニマルなインダストリアルパターンが、時間の経過により交差し、時には重なり合い、一つ一つの素材が意味を変えながら、移り行く風景を紡いでいく。
アナログの音処理にこだわったというトラック群は、インダストリアルな佇まいを携えながらも、自宅でのリスニングに適した、じっくりとした質感を持っていて、まるで静かなミニマルな実験映画を繰り返し鑑賞しているかのような錯角を覚えさせる。
往年のインダストリアルミュージックのテイストを踏襲しながらも、2024年発信のフレッシュなアプローチを体感して頂きたい。
東京アンダーグラウンドで数多くのイベントを開催、HUHのギタリスト、VJプレイ、コラージュ制作、内田静男氏とのデュオなどさまざまな顔を持つ。
このシリーズへの2作目の参加。
今回のアプローチは「リズム」。90年代音響派、electronicaのようなミニマリズムを感じさせつつ、そこかしこにキッチュさが見えるのは、ユーモラスさを魅力の一つにする寺田ならでは。
淡々と微細に、かつトリッキーに変化する、肩の力を抜きつつもクールでヒップなリズムトラック9篇を収録。
スペイン在住アーティストによるアンビエント作品。
「生命への賛歌、死への頌歌」と題され、美しく儚いハーモニーで始まる。
バイノーラル録音で構成されたフィールドレコーディングサウンドは、生から死、死から生への再生の旅路を表しているかのような錯覚を覚えさせる。死を象徴するかのような羽虫の羽ばたきの音、生命の根源を表すかのような水の流れ。
全ての生命に訪れ、去っていく同列の生と死を改めて想起させる、ディープアンビエント作品となっている。
多様極まる東京アンダーグラウンドミュージックシーンにおいて、一種異様なスタイルを貫くKAOGANAI。
満月の夜にイベントを開催、ステージを埋め尽くすほどの廃材を破壊し、咆哮を上げ、それらを使用してインダストリアルなビートと祝祭的な混沌を生成する。
[SAMPLE]と題した今回の作品は、次回作への予告編となるもの。
リズミカルなエンジン音と叫び、サイレンのサンプリングによる爆裂インダストリアルトラック「ENGINE」、大量の廃材が高速回転するような「ΑΙΔΗΣ」、電子ノイズの集中豪雨にさらされ続けるような感覚に襲われる「SIVA」、メタルパーカッションとボイスによる抑制された美しさと不穏さが際立つ「夢ヲ占フ」などを収録、クールかつ内在する激情をも感じさせる絶妙な一枚になっている。
自作楽器を身にまとい、ダンスミュージック、ノイズミュージックをユーモラスに展開する兄弟ユニットPUNSUCA。
数多い自作楽器の幾つかのデモ演奏と、それをミックスした演奏を収録した, 見て聴いて楽しめる写真と音の資料集。
玩具、ターンテーブルなどを改造したガジェット感溢れる音具を中心にセレクトし、レーベルサイドの希望により、生々しいアコースティックな録音を行っている。
Embudagonn108、Amenonuvocoでの音楽活動や絵画作品の展示などで、国内外からコアで熱烈な支持者を獲得し続ける瘡原亘。
プライマルスクリーム療法の応用として80年代に音楽活動を始めたという瘡原の、2009年にセルフリリースされたピアノソロ。
今回、1988年、1998年の未発表3トラックをボーナスとして追加し、新装丁で再発した。
「ピアノに自分自身を投影し、ピアノ全体への直接的な暴力を伴う演奏自体によって、自己を解体・再編成し、この行為の行われている時空と、それらの埒外にただ在る「コアとしての私」との間に生じ続ける齟齬を、戸惑いながら確認・そしてわずかずつ是正しようとしている様のドキュメント。これは音楽である以前にセラピーであり、意識の(演奏行為による)即時的解放を目的とする儀式的な側面も持つ。」-瘡原
カセットテープレコーダーで録音されたこのドキュメントは、そのくぐもった質感も相まって時代感覚が曖昧になる。
それは、陽光の降り注ぐ廃屋の中庭に放置された、朽ちたピアノと独り向き合う瘡原を想起させる。
激しい連打の中に時折メランコリックさが現れ、ピアノの内部奏法では自身の肉体の内側をえぐるかのようである。
自身へのセラピーであるという演奏は、聴者自身をも内在する別の時空との対峙へといざなう。
ボーナストラックは非常にアンビエントな質感で、静謐かつクラシカルなムードも携えており、瘡原の音楽的素養の広さを見せる貴重な3曲を収録した。
VELTZ以前のオルタナティブユニットGeltz!のベーシストとして活動していた頃に制作した緩やかで夏を想起させるポップなアンビエント、カセットテープマニュピレートのビアノとルイス稲毛によるベースとの実験的な自宅セッション、VELTZとしての陰鬱なドローンなどを収録。ドローントラックは坂口卓也氏主宰NEURECから2015年にリリースされたアルバム「In Dust, Real Dream」からの抜粋であり、海底に沈む戦艦が見る夢をイメージして制作したもの。
様々な「夏」へと通じる4トラックとなっている。
東京アンダーグラウンドで数多くのイベントを開催、HUHのギタリスト、VJプレイ、コラージュ制作、内田静男氏とのデュオなどさまざまな顔を持つ。
自身のメイン機材であるシンセサイザーを使用した非常にミニマルなノイズトラック9編。
微細な変化のみに特化した作品で、9トラック全て同分数。小さい音量でも大音量でもそれぞれ魅力のある、自宅リスニング向きの持続系ノイズ。
夜光虫、でらくし、魔術の庭、ジャズ、昭和歌謡、現代音楽他数え切れないジャンルを横断するルイス稲毛の2003年ソロ作品。。
往年の電子音楽のようなサウンドやポエティックな女性のボイス、ニューウェーブなリズムサウンドを横断しつつ、ライブで見られるインプロビィゼイションなベースソロ、穏やかなギタートラックなどを含む3トラック収録。この3トラックを「SOLO
2003」としてまとめたところが最大の問題である。
2011年リリースの再発盤。
TNBトリビュートに参加した頃の録音であるが、当時の環境でしか録音できなかったであろう環境の響きを有しており、生々しい金属オーケストラ、シンプルな金属一片のミニマルなサウンドなどバリエーション豊かに収録。
2001年、KPOキリンプラザ大阪で開催された「オプトランス!」展に併せて制作、販売された音源の再発盤。
オメガポイントよりリリースされた1st アルバム"R.G.B./ Pre OPTRON 1999"の翌年に録音されたもの。
現在のOPTRONスタイルになる遥か以前の録音。コントロール不能な放電ノイズが中心でありながら、そこに対峙する作家のインプロヴァイズとのせめぎ合いを見てとれるものとなっている。
現在のパフォーマンスの雛形にもなっている音色や、不規則に偶発的に立ち現れるリズミックなパターンなど、2000年当時のテクノイズの潮流も垣間見える、最初期の貴重な音源集。
2018年、Stephen Cornfordが主宰するイギリスのレーベルconsumer
wasteよりリリースされたアルバムのセカンドエディション。
カラーパターンジェレネレータ、デジタルビデオトランスミッターなど、テレビにまつわる周辺機器によるお互いの干渉や、真空管テレビの自然発生的なノイズなどを採取したトラック集。
一聴しただけでは自然発生にはまるで聴こえないアンビエントテクノイズ、リズミックなノイズトラックなどを収録。アナログテレビからのサウンドとは思えない芳醇な音楽的響きを有している。
また、今回はconsumer wasteからのリリースには収録されなかった未発表トラックを追加。
アナログテレビの持つ未知数の可能性に改めて気付く彩りあふれるトラック集になっている。
シャッフル再生することで、新たな楽しみ方の可能性が広がる。